加害者の3つの責任とは?

人身事故と物損事故で違いはありますが、他人に損害を与えたわけですから損害を賠
償する「民事上の責任」、他人を死傷させることによる「刑事上の責任」、運転免許の停
止や取り消しなどの「行政上の責任」という3つの責任を問われます。

1、民事責任とは

被害者に対して、加害者は被害者の受けた損害を賠償する責任が発生します。
その責任の根拠は民法上の不法行為責任(民法709条)、使用者責任(民法715条)、
運行供用者責任(自動車損害賠償保障法3条)に基づきます。
物損事故の場合、通常は壊れた自動車等を元どうりにする費用を負担すればいいので
すが、人身事故の場合は複雑になってきます。

治療費や通院、入院費用、ケガのために仕事ができず収入が減少したなら休業補償、
後遺障害があればそれに対する逸失利益・慰謝料の補償。死亡した場合は、逸失利益
(生きていればこれから先当然得られたであろうとされる利益)に対する補償、精神的損
害に対する慰謝料、葬儀費用なども支払う義務があります。

この民事責任は、運転者だけが負うものとは限りません。仕事中の場合は運転者の使
用者、他人の自動車であった場合はその所有者、未成年者の場合はその親も共同責任
を負わされる場合があります。

賠償責任は、被害者との示談 が成立すればそれで解消します。
しかし、話し合いががまとまらない場合、裁判所に調停や訴訟を起こすことになります。

2、刑事責任とは

民事責任が私人間を規律するのに対し、刑事責任は国と私人(加害者)間を規律するも
のです。
交通事故による刑事罰は人身事故に対する刑法の業務上過失致死傷罪と道路交通法
違反の罰則があります。  
刑法上の業務とは営利を目的としたものでなくても反復継続して行う行為であれば該当
し、自動車の運転も反復継続して行うものですから業務上過失致死傷罪で処罰されま
す。
業務上過失致死傷罪はたんなる過失致死傷罪(罰金刑)より重く、5年以下の懲役もしく
は禁固、または50万円以下の罰金となります。
ただし、傷害の程度が軽いときは、情状により刑が免除されることもあります。
しかし、事故を起こした原因が無免許運転や酒酔い運転、ひき逃げなどの場合は道路
交通法違反による刑罰が加わります。

3、行政責任とは

刑事責任が国の刑罰権の行使であるのに対し、行政責任は道路交通の安全を確保す
るという行政目的のため行政庁(公安委員会)が行う行政処分のことです。
免許を受けた者が事故を起こしたら運転するのが不適当な者として免許を停止したり、
取り消したりします。


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